母乳育児率5割越す
母乳育児を希望するお母さんは9割越しているのに、実際の母乳率は4割からここ20年ほど変わらなかった日本。
今回の乳幼児栄養調査で、50%越しました\(^o^)/(正確には、生後1ヶ月では51.3%、生後3ヶ月で54.7%)
また、混合栄養も含めた母乳率は9割!(生後1ヶ月で96.5%、生後3ヶ月で89.8%)
生後1ヶ月より生後3ヶ月の方が母乳率が高いと言うことは、支援者の地道な活動が実を結んだのかなー。
こうやって書くと、また色々言われるかも知れないけど、適切な支援ができている目安にもなっている。
少しずつ、支援の輪が広がってきていると思っています。
母乳母乳って言わないで?!
これ、母乳育児推進否定派(?っていうのかしら?)の方によく言われます。
でも、私が言いたいのは、↑この母乳っていうのは、完全母乳(完母って言いますけど、この言葉あまり好きじゃありません)のことじゃありません。
一滴でも母乳をこどもに与える、一回でもおっぱいから吸ってもらえたら、それは母乳育児をしています。
もちろん、母乳のみの方が多くの効果があります。なにより面倒くさくない!!ですが、母乳の効果って量依存なので、あげればあげるほど赤ちゃんにも、お母さんにも、社会にも良い影響を与えます。
語弊があるかも知れませんが、お母さんは自分の貴重な人生の一部を、子育てという時間に費やしている。
睡眠を削り(出産後は子育てモードに身体が切り替わっているので短時間睡眠になってはいますが)、自分の体内から母乳を産生し、こどもの命に影響する栄養を作り出している。
母乳だけのお母さんも、混合栄養のお母さんも、ひたすらこどものことを考えて行動している。
そんなお母さんたちを見ていると、「そのままでいいんですよ。良いお母さんになろうと思わなくていい。」って言いたいし、言っちゃう。
だって、もうがんばっているもの。
その気持ちが大切で、私たち支援者はお母さんの気持ちに寄り添うことが大切。自分の考えを押しつけるんじゃなくて、尊重する。
母乳育児をする過程の中で、悩んで選んだ道が、お母さんと赤ちゃんにとって一番ベスト。それがたとえ母乳育児をしないという選択でも。
ただ、その決定が医療者側の適切な支援と、お母さん側に適切な知識があったかどうか。
そうでないのなら、私たち医療者は「母乳育児成功のための10か条」を実施できるような行動を取る必要があります。
「母乳育児成功のための10か条」(1)母乳育児についての基本方針を文書にし、関係するすべての保健医療スタッフに周知徹底しましょう。(2)この方針を実践するために必要な技能を、すべての関係する保健医療スタッフにトレーニングしましょう。(3)妊娠した女性すべてに母乳育児の利点とその方法に関する情報を提供しましょう。(4)産後30分以内に母乳育児が開始できるよう、母親を援助しましょう。(5)母親に母乳育児のやり方を教え、母と子が離れることが避けられない場合でも母乳分泌を維持できるような方法を教えましょう。(6)医学的に必要がない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。(7)母親と赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施しましょう。(8)赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけの授乳を勧めましょう。(9)母乳で育てられている赤ちゃんに、人工乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。(10)母乳育児を支援するグループ作りを支援し、産科施設の退院時に母親に紹介しましょう。(WHO/UNICEF:The Ten Steps to Successful Breastfeeding,1989)
ソースはこちら:厚生労働書 平成27年度乳幼児栄養調査
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