私が心がけていること

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まだ病院で仕事をしていた時のこと。

母乳育児支援を中心的に取り組んでいたので、何かあったときには私の所に産後のママさんが来ていました。

 

そんな中、一人のお母さんがいました。

Hさん。

 

ちょっと小さく産まれた赤ちゃんで、ママも初産婦、赤ちゃんは飲むときに口をあまり大きく開けて

くれませんでした。

もう、すでに哺乳びん慣れしちゃっていたのです。

 

その頃、まだ母乳育児支援の方針は病棟で一貫していなかったため、産まれた日からミルクを足す、という習慣をやめていませんでした。

 

それでも、母乳で育てたい!というママの気持ちを尊重したくて、勤務の時は抱き方とくわえさせ方を見ていました。

 

母乳育児は、ほとんどの人ができます。

ただ、入院中に母乳分泌が順調で、心配なく退院できる人ばかりではありません。

初日から頻回に、何回も何回も(新生児の授乳回数の平均は12回くらいです)飲んでいても、抱き方やくわえさせ方が上手にならないと、せっかく出ている母乳が飲み取れないこともあります。

また、赤ちゃんの下の使い方が下手な場合もあります。

母乳分泌が十分になるまで、時間がかかるゆっくりなママもいます。

 

 

Hさんの場合は、飲み方がうまくならず、また小さかったために母乳を飲み取る体力がなく、すぐに疲れちゃうタイプの赤ちゃんでした。

入院中は母乳分泌が足りなかったので、ミルクを足していましたが、このミルクをやめたいとずっと話されていました。

 

こどもが適切に成長するためには、足りない分はミルクが絶対必要です。

でも母乳だけでがんばりたかったママは、退院してからはあまりミルクを足さず、母乳メインでがんばっていました。

体重が1ヶ月検診で増えていないと言われたHさんは、病棟にあがってきました。

このときスタッフに言われた言葉は「佐藤さんはHさん専属だもんね。」

すでにスタッフはこの状態に反感を覚えていたのでした。

 

病棟でHさんの話しを聞き、体重の増加を見たとき、1日17gでした。

この増加率でも、継続的にフォローできれば様子を見たかもしれません。

でも、母乳外来がない&小児科の母乳育児に関する理解がないうちの病院では今後のフォローが難しく、母乳育児に詳しい助産院を探しました。その助産院のキャッチフレーズは「痛くありません。1回で母乳をだします。」でした。

他にも母乳育児支援をしてくれそうな助産院を探しましたが、一番近いのはそこでした。

 

悩んだ末、Hさんにはその助産院を紹介しました。

Hさんから「行ってきました!でも、母乳はでているから、大丈夫って言われました。このまま頑張ります!」と連絡が入りました。その後のフォローはない様子でした。

「もう少し通って、体重を見たり、自宅で体重を量ってみるのも良いと思うのだけど」と言ってみましたが、もう通う気はなさそうでした。

その後Hさんから連絡はありませんでした。

 

 

 

新人の頃の話しです。

ずーっとひっかかっていましたが、今ならわかる。

 

私はHさんに依存させてしまっていたと。

Hさんのためと言いながら、自分でできる、やれる、という気持ちを尊重することをせず、アドバイスばかりしていた。

 

Hさんとしては、その通りにしていたのに母乳の分泌は増えないし、体重も伸びない。

私の言うとおりにしていて良いのか?と思ったときに他の助産院へ行けという。

行ってみたらその助産院では「おっぱいは十分出ている。問題ない。」と言われた。

なんだ、佐藤さんじゃなくても良かった。もう失望した。

という風に思ったのでしょう。

 

 

支援者として、アドバイスはしがちですが、選ぶのはママです。子育てするのもママです。

私たちは、ママが自信を持って子育てできるようにするのが使命なのに、その自立を奪っていたのです。

 

 

この苦い経験を糧に、お母さんたちが、母乳育児に自信を持てるように関わっています。

楽しく、ラクチンに子育てができるような支援を目指して活動中です!

 

 

 

 

 

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