3歳で飲んでいるのは恥ずかしい?:長期授乳のこと

Pocket

アメブロを見ていたら、こんな記事が目に入りました。

「ヌマジ交通ミュージアム☆とおっぱい事情」

簡単に書くと、下のお子さんの授乳をしていると、3歳のおにいちゃんがそれを見に来た。「飲む?」って聞いたら「うんっっっっ!!」と全力で服の中にINしてきて、何ともいえない気持ちになったという。

 

気づいたこと。

そうか、お母さんたちは母乳育児が当たり前だった時代を知らないんだ。

マーケティングの影響を自分が知らない間に受けていることを知らないんだ。

母乳育児に対するもやもやっとした気持ちや、罪悪感、否定的な気持ちも、時代が違うだけでは済まされない。

お母さんたちを悩ませるものはいらない!!

 

ということで、長期授乳について書いていきます。

 

長期授乳:世界的には?

WHO/UNICEFは、乳幼児の栄養に関するイノチェンティ宣言(1990年)で

「最適な栄養法とは、生後6ヶ月間は完全に母乳だけで育て、その後適切な離乳食(補完食)を与えながら、2歳かそれ以上まで母乳育児を続けること」

と言っています。

 

今の世界の平均卒乳年齢は4歳です!

また、長期授乳自体ののメリットとしては、以下のように言われています。

長期授乳のメリット

・母乳の免疫成分や栄養は、子どもが幼児期になってもかわらない

   →3歳までは完全栄養食です。薄くなりません~!!

・自己主張をはじめる2歳頃にも、授乳によって子どもの気持ちが落ち着くことで楽に子育てができる場合があります

・長く授乳した子どもは自分に自信を持ち、独立心のある人間に成長している子が多いと言われています。

 

何でWHOやUNICEFが「長くおっぱいあげた方が良いよ~」というのか。
発展途上国の子どもの死亡率を減らす、とよく言われますが、先進国でも同じです。
母乳育児のメリットは世界共通です。なにより、今は人工乳のマーケティングの影響が強すぎるのです。

 

母乳育児は、戦前ではごく当たり前のこととして社会に受け入れられていました。

20140519-00000003-wordleaf-8f91b4c9cb5eb3b87748e09eec3cd4171

そこらへんの道ばたでおっぱいを出して授乳していても、眉をひそめる人なんていませんでした(今ではトイレで授乳など肩身の狭い思いをしていますね)。

 

戦前の日本

1950年代の終わりの調査では、母乳育児の終了(卒乳)の平均年齢は、東京のサラリーマン家庭で4歳、地方農村では8~9歳でした。

o0400053713450289899

戦後GHQが入り、妊産婦死亡がアメリカより多い原因が自宅出産であるとされ、病院で管理される分娩になってしまい、「感染症対策」の名の下に、赤ちゃんとお母さんが離れてしまいました。

 

お母さんは病室で、赤ちゃんは新生児室で管理されました。

 

お母さんと赤ちゃんは離れてしまうと、赤ちゃんが出している、”おっぱい欲しいよサイン”に気づくことができません。

泣いてからでは授乳のタイミングとしては遅く、おっぱいをくわえるのに苦労してしまいます。赤ちゃんのサインに気づかなければ、どうしても授乳の回数は減ってしまいます。母子別室では気づくことが物理的に不可能です。こうして、母乳分泌のサイクルが阻害され、分泌は減っていきました。

 

人工乳のマーケティング戦略

また、1950年(昭和25年)ころから人工乳のマーケティングが盛んにされました。「母乳育児はもう古い!人工乳は科学的で新しい!」とバンバン広告しました。人工乳の販売が増加し、各地で乳業メーカー主催の赤ちゃんコンクールが開かれ、人工乳でまるまると太った赤ちゃんが表彰される写真などがマスコミによって宣伝されました。

o0290018813450291023

その結果、戦前80%以上だった1ヶ月時の母乳率(母乳のみで育てる人の割合)が、1972年(昭和48年)には31.7%まで落ち込みました。

1970年代には発展途上国にも人工乳が導入されるようになり、貧しい地域で人工乳で哺育された乳児の下痢による死亡率が15倍、肺炎による死亡率が4倍になるなど大きな被害が報告されました。

対策としてWHOとUNICEFは、乳業メーカーによる人工乳の自由な販売競争を規制するために母乳代用品のマーケティングに関する国際規準(WHOコード)を策定し、1981年の世界保健総会で118対1、棄権3(反対はアメリカ、棄権は日本、韓国、アルゼンチン)という圧倒的多数で承認されました。

その後日本は1994年の世界保健総会(WHO総会)でアメリカとともにWHOコードに賛成しました。

日本政府はWHO総会でこのWHOコードに賛成したのですが、法律でこれを守ろうとする動きはありません。

 

日本の乳業会社は輸出分に関してはWHOコードを守るのに、日本国内ではWHOコードの存在自体にも触れないようにしています。

昔は人工乳のCMが流れていましたが、今はありません。

マスコミによる影響は大きいので、さすがに今はもうマズい、と自主規制していると考えられます。

しかし、育児雑誌などでは今でも広告、すごいですよね。

ミルクのお土産も、病院でもらえるのってまだまだ当たり前ですよね。

こうやって、知らない間に「人工乳は母乳育児とあまりかわらない」という意識を一般の人に流しています。

 

問題はどこ?

WHOコードは、人工乳を売ってはいけないと言っているわけではありません。人工乳は絶対必要です。科学の進歩と共に人工乳の成分も良くなりました。母乳が何らかの理由で手に入らない子どもにとって、大事です。

 

問題なのは、「母乳で育てることができるお母さんと赤ちゃんたちの邪魔をすること」です。

 

人工乳メーカーのホームページに書いてあるとおりの授乳スケジュールにすると、母乳分泌は減っていきます。

母乳分泌を維持するためには、1日最低8回の授乳が必要と言われています。

 

混合栄養の人は、「じゃあ、どうしていけば良いの?」とお困りになるかもしれません。

これについては別記事で上げようと思います。

 

 

 

参考:

「本格追求シリーズ3 共同体社会に学ぶ子育て」7.生産課題から切り離された子育ては、異常なのかも知れない

砒素ミルク中毒事件    

母乳代用品のマーケティングに関する国際規準(WHOコード)違反について

母乳代用品のマーケティングに関する国際規準(邦訳全文)

シェアありがとうございます

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です